À la recherche d’Ultraman perdu
(o|o) 失われたウルトラマンを求めて (o|o)
天文年鑑や天文手帳で星図を見て,M78星雲と近くの明るい星を調べると,
目標天体 M78 赤経 5h47m,赤緯 0º 03′,散光星雲 (10等,視直径8x6′)
基準星 オリオン座d星 赤経 5h32m,赤緯 -0º 18′,2.2等
がよさそうです.
月のないよく晴れた夜に,できるだけ光害のないところに行きます.焦点距離の一番長い接眼レンズを付けます.オリオン座三つ星の向かって右端の星(オリオン座d)を望遠鏡の視野に入れ,1/3度ほど北に動かし,隊員と紅茶を飲みながら,暗闇で15分間待つ.
ということになります.露除けに鏡筒にポリ袋などを掛けて置きましょう.
♪赤緯が同じ星は赤経の差の時間差で同じところに来る♪
[M78の赤経] - [オリオン座dの赤経] = 5h47m - 5h32m =15m
[M78の赤緯] - [オリオン座dの赤緯] = 0º 03′ - (-0º 18′) = 21′
さて,この赤緯の差21′~ 1/3度はどうするかです.北に1/3度ですが,どこにも目盛はありません.望遠鏡の実視界が分ければよいのです.実視界は [接眼レンズの見掛視界] ÷ [倍率]で求められますが,低倍率ではあまり正確ではありません.ちょうど天の赤道上にいますので,実際に測ってみましょう.
実視界の測り方
オリオン座d星を視野の中心に持ってきます.そこから星が動いて視野の縁に来るまでの時間を測ります.
1日24時間で360度ですから,1時間で15度,1分間で1/4度です.例えば,視野の中心にあった星が3分間で縁に来たとすれば,半径は3/4度,実視界は1.5度 = 90 ′となります.2~3回繰り返しましょう.
この方法は天の赤道付近にある星にしか使えません.
ちなみに月の視直径は約30′です.
さて,21′÷ 90′ = 0.23 ですから,視野の半径の半分ほど北にということです.この計算では,動かさなくても済みそうです.望遠鏡の最低倍率での実視界は普通1度くらいですので,動かすことも考えましょう.
望遠鏡では北はどっちだということが少々ややこしくなります.
西は簡単.オリオン座d星を視野の中央に入れて,動いて行く方向が西になります.西が分かれば北は簡単と考えそうですが,天体望遠鏡で見ると像は逆さまです.星の動く方向の垂直方向ですが,どちらでしょう.天頂プリズムを使っていたりすると,さらにややこしくなります.
微動装置がない望遠鏡は簡単で,直接鏡筒を北の方向に動かせば済みます.しかし,1/3度では微動を使っていると鏡筒がどちらに動いたか分かりません.いったん大きく動かして方向を確認しましょう.北の方向が分かったら,再び,オリオン座d星を視野の中央に入れて,星の動く方向と,視野の中に見えている星の位置から,1/3度北がどの辺りか見当をつけ,その場所に視野の中央を持って行きます.
M78はメシエ天体の中では暗い方でちょっと手強い相手です.M78は2つの近接した星が星雲状の光芒に包まれています.球状星雲や散光星雲は小さな望遠鏡ではボーっとした光のシミのようにしか見えないものがほとんどです.同じ視力の人が同じ望遠鏡で同じ天体を見ても,初心者と経験を積んだ人とでは見えるものが違います.
×_× 見つからなかったとき ×_×
「暗闇で待つ」は守りましたか?明るいところにいると,いきなり暗いところに行ってもよく
見えません.目を暗闇に慣らすことが必要です.
倍率を上げて見ましょう.背景が暗くなり見やすくなります.
また,正面から見ないで視線をちょっとずらしてみます.
望遠鏡を少し動かしてみると,点光源の恒星と面積のある星雲とでは違った動きをしているように見えて見つけやすくなります.
つづく